■□■ 情報教育に役に立つメールマガジン

   ◆◇◆ icaメールマガジン第2号 ◆◇◆

                         2003/05/26


★目次

 [1]これからの日本に求められる教師像      泉 廣治 

 [2]独立法人化実施に向けて大学の統合化進む   林徳治

 [3]教育用ディジタル素材の活用事例       藤本光司

 [4]調べ学習や教材研究のためのリンク集     原田 肇

 [5]第19回日本教育情報学会について       黒川マキ 

 [6]会員の研究活動紹介

 @山口大学 大学院(M2)            井上史子

 A山口大学 大学院(M1)            橋本恵子

 [7]かわらばん

 @「New Education Expo 2003 in大阪」開催について 

 A「教育情報化コーディネータ」検定試験について

 B今年度より、つくば中央研修内容が一新されます


[1]これからの日本に求められる教師像

?教員採用の立場から?          泉 廣治(兵庫県教育委員会)

 公務員や教員採用試験のポスターが行政掲示板に貼り出され、街にもリクルートスタイルの学生を見かけるようになりました。安定成長の時代、企業は、賢く、まじめな人材を同じ規格で多く採用し、効率的に機能する組織を作り上げ、世界の勝ち組になりました。しかし、企業が生き残りをかけた競争の時代に入った今、様々な人材を適材適所に組み合わせた強固な組織づくりへと転換しています。同規格の人材を大量に採用する時代は過去のものとなりました。

 採用方法も、どういうタイプで、どういう能力を持ち、どういう役割を果すことができるかを的確に見抜き、求めている人材なら採用するという方法に変わってきています。こうした採用はプロにしかできない採用です。言い換えれば、プロの採用担当者を持たない組織は人材の確保もできず、消えていくことになるでしょう。それは、行政組織や学校も同様で、教員採用にも同じことが言えるかもしれません。

組織の側はどんな人材がほしいのか、学生の側は何ができるのか、お互いの情報を交換できるような採用試験がなされる組織には人材も集まってくることでしょう。採用される側から見ると、マニュアル本や「にわか仕立て」の企業研究で、採用面接をどれだけうまくクリアできたかによって採用決定するような組織にしがみつく価値があるとは思えません。ましてや圧迫面接を平気でやっているような組織には未来はありません。

 さて、こうした社会の変化に対応するため教育にも変化が求められ、小渕内閣以来、国をあげて教育改革を進めてきました。学校教育の内容も大きく変わってきました。でも、教師のみなさん、こうした変化を受け止め、子どもたちが自信を持って社会に歩み出せるような教育活動を日々展開しいただいているでしょうか。

 小学校では就職活動など遠い先のこととして、教師の描く理想を求めた教育活動に走る傾向があり、上級学校へ行けば行くほど、それは本人の責任と考え、教育の責任を回避する傾向が見られると感じるのは私だけでしょうか。

 教師、教育行政、保護者や民間企業が顔を合わせて、そんな具体的な議論を重ねていくことで、本当の教育改革が生まれてくるように思います。教育基本法の改正手続きが本格的に始まりました。賛否の議論もさることながら、どんな子どもたちを育て、そのために何をなすべきかといった具体的な議論を教師の手で深めていきたいものです。


[2] 独立法人化実施に向けて大学の統合化進む        林徳治(山口大学教育学部)

各地の国公立大学では単科大学の統合化が議論され準備が進められています。例えば大阪府では、大阪府立大学、大阪女子大学、大阪府立看護大学の3大学が平成17年4月に公立大学法人として新生府立大学(仮称)として設置されます。これからの大学教員は、単に専門的な知識を有する専門家としての研究者だけではなく、個々の学生の育成をめざした教育者(教授技術)としての資質や能力が問われています。教員公募内容も専門に加え、沖教授の専門であるFD(Faculty Development)またはSD(Staff Development)について記述されている点が目立ちます。私立大学では、いち早く学生による授業評価や要望を真摯に受け止める調査が実施され、結果は教員にフィードバックされ授業改善に取り組まれていますが、今後は小中高にも、これらの評価システムが導入されることでしょう。先回の日本教育情報学会年会で、山口大学医学部での取り組みが報告されましたが、電子シラバスによる各授業での内容や資料、課題が事細かに学生に公開され学習の場で活用されています。さらに出欠管理から、その日の授業の小レポートまで各自のパソコンで授業時に入力でき集計されるといったシステムが動いています。情報化が進む中で、これからの教師も閉ざされた授業から、開かれた授業へ、それに伴う評価や責任といった点について実行できる資質や能力が求められるでしょう。


[3]教育用ディジタル素材の活用事例         藤本光司(兵庫県宝塚市立安倉中学校)

今回は、教育用画像素材集(http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/)の活用方法を紹介します。このサイトで画像をクリックすると、音声が途切れたり、画像がスムーズに動かなかったりする場合があります。しかし、自分のPCや学校のサーバーにダウンロードすれば解決します。全1万8千件の画像をダウンロードしても6G(ギガ)程度です。初任者研修や現職研修で利用する際の道具箱に活用してください。また、個人でダウンロードするのが面倒だ!という人は、教育情報ナショナルセンターや岡山県情報教育センターのサーバーにダウンロードしてありますから画像はスムーズに閲覧することができます。

◇教育情報ナショナルセンター(http://www.nicer.go.jp/)

◇岡山県センター(http://www2.jyose.pref.okayama.jp/cec/webresipi/index.htm)

◇画像素材を活用した、レシピ100選(http://kayoo.org/home/recipi_fr.html)

岡山県の場合は、全国に先駆けて「Web版レシピ&Web版ワークシート」をセットにして授業をサポートしていますので参考にされてはどうでしょうか。また、プロジェクトリーダー永野先生の「火曜の会」ホームページには活用事例集として、「授業レシピ100選」が掲載されています。ica会員の先生方が作ったレシピもココに掲載されています。その他、産学が一体となった事業ですから様々なプロジェクトで動いています。

◇Web上で提供する教師自作のアイデア学習ソフト集

http://kids2.gakken.co.jp/campus/academy/jisaku/

◇オンライン音楽室

  http://www.ongakushitsu.net/

 ◇地域の生活・文化データベース開発

  http://www.bunkei.co.jp/dac/

◇中学理科実験・観察クリップ集

  http://kids.gakken.co.jp/campus/academy/kobe/

 ◇中学生のための世の中仕事カタログ

  http://www.yonokata.net/index.php3

◇特殊教育の指導に役立つWeb教材コンテンツ

  http://kids.gakken.co.jp/campus/academy/nise/


[4] 調べ学習や教材研究のためのリンク集           原田 肇 (京都府久御山町立久御山中学校)

今回は、小中学校の児童生徒・教職員の調べ学習や教材研究のためのリンク集のページを紹介します。 調べ学習教材リンク

http://homepage2.nifty.com/masudaki/ <http://homepage2.nifty.com/masudaki/>  

 このページはカテゴリーがとても多く、1つ1つのカテゴリーの中にあるリンクも多数用意されています。児童生徒が直接利用するには多少の慣れが必要ですが、教職員が調べ学習の準備や研究の資料探し等に役立ちます。

 このページには以下のようなカテゴリー分けがされています。

【こども】【国語】【図書館】【社会1地理】【社会2産業】【社会3歴史公民】【算数】

【理科1】【理科2物化地】【理科3生物】【リンク】【あそび】【生活】【音楽】【図工美術】

【保健体育】【部活動】【技術家庭】【英語】【国際理解】【環境】【福祉健康】【進路】

【遠足旅行】【道徳特活】【その他・自由研究】【情報教育】【担当者】【静岡】【伊豆】

【地域】【学校】【総合的な学習】【教育課程】【教科書】【評価】【文科省】【答申統計】

【教育1指導資料】【教育2】【出版報道】【実用】【検索】【紹介・感謝】


[5] 第19回 日本教育情報学会について      黒川マキ(大阪学院大学)
 昨年度の夏、山口大学において台風と共に盛会裏に終わりました日本教育情報学会が皆さまの記憶に新しいことと思います。今年度は、大阪学院大学を会場として2003年8月9日(土)・10日(日)の両日に開催されます。「ブロードバンド時代の学校教育」と題したシンポジウムでは、コンピュータネットワークの活用に全学的に取り組んでいる学校に焦点をあてます。先進的事例として関西学院大学、大阪学院大学、追手門小学校より3つの事例を取り上げ、ネットワーク
のあり方や今後の課題について考えていきます。関西学院大学の事例については中條先生よりご発表いただきます。大勢の皆さまのご参加をお待ちしています。詳細については日本教育情報学会のホームページ(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsei/)をご覧ください。


[6]会員の研究活動紹介

 会員の教育活動を掲載するコラムを今回、設けました。疎遠となっておられる会員の方も気軽に編集部まで投稿してください。軽いタッチのエッセイ風に文章をまとめていただければありがたいです。そこで、まず、第一弾は、山口大学の大学院に在籍しておられるお二方にお願いしました。

@山口大学 大学院(M2)      井上史子(山口市立宮野中学校)

ICA会員の皆様、こんにちは。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、1年が経つのは早いもので、ついこの間、山口大学大学院に入学したと思っておりましたのに、もう今年は修了の年です。気持ちだけは焦っているのですが研究は遅々として進まないという状況に不安な日々を送っております。現時点での私の修士論文のテーマは、「児童・生徒が主体的に学習に取り組むための授業のあり方」について、実証的に研究するというものですが、会員の皆様からもご助言などいただければ幸いです。今年度末の総会で無事ご報告できますよう、残り10ヵ月がんばりたいと思います。

A山口大学 大学院(M1)      橋本恵子(筑紫女学園大学)

4月より、山口大学林先生のもとで研究させていただくことになりました。現在、山口大学大学院の科目等履修生として、週1回、福岡から山口まで通っております。「コンテストの導入による日本語表現力の育成を目指した授業実践」、「日本語表現力とディジタル表現」というテーマで、研究に取り組んでおります。また、情報教育の観点から捉えた日本語表現力(特に音声言語によるコミュニケーション;スピーチコミュニケーション)育成のための演習コースの開発等にも興味があります。本務校では、情報教育(「情報処理基礎演習」「情報処理応用演習」「情報コミュニケーション」)と司書教諭課程(「学校図書館メディアの構成」「情報メディアの活用」)を担当しています。学生時代は、教育学部国語国文学科で近代文学を専攻しておりましたが、当時から日本語資料のコンピュータ処理について興味をもっておりました。なお、林研究室Webページのスタッフ紹介欄にも簡単な自己紹介をさせていただいておりますので、もしお時間がございましたらご覧いただければと存じます。湯田温泉は、小学校の修学旅行で訪れた懐かしい場所です。また母の出身地が山口ということもあり、不思議な縁さえ感じている今日この頃です。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。


[7]  かわらばん

@New Education Expo 2003 in大阪

今年で8年目を向かえる、New Education Expoが大阪で開催されます。主な対象は教育関係者で、セミナー・展示とも教育を取り巻く最新トレンドと実践事例を中心に、圧倒的なメニューを取り揃えているそうです。参加費は無料ですが、各セミナーには定員があります。セミナーの参加や招待状は、下記のURLで申し込みできます。

会期:6月10日(火)から11日(水) 10:00?18:00

会場:大阪マーチャンダイズマート(大阪市中央区大手前1-7-31)

申し込み締め切り:6月4日(水)

主催:New Education Expo 実行委員会 http://expo.uchida.co.jp <http://expo.uchida.co.jp/>

共済:(財)日米映画文化協会、(株)内田洋行教育システム事業部

後援:文部科学省、CEC,IPA、大阪府・兵庫県・他教育委員会

  <基調講演及びセミナーの内容>

「日本の学校教育の将来」:小野 元之氏 (前文部科学省 事務次官、日本学術振興会 理事長)

「これからの教育を考える上で大切なこと」:寺脇 研氏(文化庁 文化部長)

「次世代を担う子供たちをどう育てるのか ?教科・情報・総合の三段構えで育てる学力とは?」:水越 敏行氏 (大阪大学 名誉教)

「総合的な学習の時間の今後の進展」:嶋野 道弘氏(文部科学省初等中等教育局 視学官)

「英語が使える日本人の育成」:樋口 聰氏 (文部科学省 初等中等教育局国際教育課)

「ファカルティディベロップメント(FD)による大学授業改革と実践」:田中 毎実氏 (京都大学高等教育研究開発推進センター)その他、全51セミナー



A「教育情報化コーディネータ(ITCE)」検定試験について

 今年で3年目を向かえる、教育情報化コーディネータ(Information Technology Coordinator for Education、略してITCE)」の認定試験の募集要項が、日本教育工学振興会(JAPET)よりWeb上に掲載されました。試験日は3級試験が6月23日におこなわれ、全国数箇所で実施されます。その申し込みの締め切りが6月6日と差し迫っています。次のURLに過去問題や傾向と対策が掲載されていますのでご覧下さい。なお、受験料は\8000です。

◇教育情報化コーディネータ(http://www.japet.or.jp/itce2003/index.htm)

ITCEとしての人材に要求されるのは、単に学校にコンピュータを導入し、それを利用するというレベルの問題ではなく、地域社会や家庭と協力しながら学校教育をどのように展開するか、また、コミュニケーションの手段としてインターネットやコンピュータをどのように活用するかなど、長期的な見通しや判断力のある教師や企業人を要求しています。

B今年度より「つくば中央研修」の内容が一新されます。

教職員研修として実績のあるつくばの中央研修の方式が、今年度より一新されます。今までのように大学教員や専門家による講話に加え、参加した教職員が実際に体験するプラクティスを重視した研修カリキュラムが増加しました。情報教育分野においても、従来の講話に基づいたプラクティスを半日実施した内容になります。情報教育=コミュニケーション(授業)改善をめざした内容を実施したく思います。


icaメールマガジン事務局より

■次号の予定・・・・次号は、6月3日(水曜)発行予定です。

■ご意見・お問合わせ(メルマガ編集デスク): mag@ica-j.org まで

■メールマガジンの内容を転載する際は、メルマガ編集デスクにご連絡を。

 ただし、全文の転載はお断りしています。

■バックナンバーは、ICA(情報教養研究会)のホームページ http://www.ica-j.org/

 でご覧いただけます。



発行人  林 徳治 (編集長) /発行 ica(情報教養研究会)

編集スタッフ 泉 廣治・藤本光司・原田 肇・本田慶裕・黒川マキ